お世話になっております。インキュベクスの青井です。
本日は、大阪府堺市で障がい者や高齢者福祉、子育て支援等のNPO法人を運営され、訪問看護ステーションを開業予定のNPO法人 次世代育成・少子化対策研究会代表の塩野 浩二様にお話をうかがいます。
どうぞよろしくお願いします。
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よろしくお願いします。
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まず、塩野様のこれまでのご経験をおうかがいしたいと思います。
これまでもずっと福祉業界でお仕事をされていますね。
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はい。大学時代から社会福祉事業をやりたいと思っていました。大学卒業後、社会福祉法人に勤め、そこで13年ほど障がい者福祉に関わりました。
ちょうど、障がい者福祉制度が「措置」制度から「契約」に変わって少したった時期に、在籍していた法人の中でヘルパー事業所の立ち上げを任され、そこから在宅事業に関わるようになりました。
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施設での仕事から在宅支援の仕事となり、福祉への思いは何か変わりましたか?
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そうですね。在宅事業となって一人ひとりの家庭に行ってみてわかったのは、施設に通うことができなかった人の事情です。
施設に通えていた人はある意味、家庭環境に恵まれているというか・・・。
経済状態が厳しい人が、在宅を余儀なくされていると感じました。
その現実を知り、「もっと在宅介護に力を入れるべきだ」と当時の法人の幹部に掛け合ったのですが、みんな何十年も施設運営をやってきた人たちで、在宅介護の窮状を話しても伝わらなくて。
現場に行っているヘルパーさんたちの苦しい思いを上にあげられず、ジレンマを感じました。
最初は運営の仕方も分からない状態でのスタートで、既に在宅事業を立ち上げていた他の事業所の方たちにいろいろ教えてもらっていました。
そのうち、「そんなに頑張っているなら自分で立ち上げたら?」と乗せられて(笑)、平成18年に在宅介護の事業で独立しました。
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そうだったんですね。
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今後は、在宅支援が主流になっていくと思います。施設はいっぱいになりつつあり、新たに作るのもお金がかかるから、国の指針も“住み慣れた家でその人らしく過ごす”、という流れです。
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障がい者だけでなく、高齢者の在宅介護にも目を向けた
最初は障がい者に限ったサービスで、その後介護保険サービスによる高齢者の在宅事業も始められましたね。何かきっかけがあったのでしょうか。
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ある障害のある方の訪問介護で家に行っていたんですが、肥満傾向だった人が、だんだんスリムになっていき、最初はダイエットが成功しているんだと思っていたんです。
でも次第に何かおかしい、ということでよくよく見てみると、その息子の面倒を見ていたお母さんが認知症になっていて、肢体不自由で自力で食事ができない子どもに食事をさせる、という部分が欠落していたのが原因だったんです。
行政と連携し、そのお母さんを行政の支援につなげてヘルパーを入れることができました。
そのとき、今後は障害者福祉だけでなく、介護保険事業までサービスを広げる必要性を感じました。
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なるほどですね。
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あとは、ヘルパーさんが訪問介護に行くと、よくご近所の方から「兄ちゃん、なんのお仕事?」と聞かれ、「ヘルパーです」と答えると、「うちも困っているから来てよ」と言われることが多かったんですね。
そういう状況を見て、高齢者も含めた在宅の事業拡大を進めてきました。
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ほかにも塩野様の事業所では、いろいろな部門がありますね。
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はい。高齢者(介護保険)事業の訪問介護、障がい者(児)の訪問支援とグループホーム、相談支援事業、子育て支援事業もあります。
今までの経験を活かし、後進育成のための行政や介護学校での講師もしています。
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介護と医療、両者が連携したサポートを実現したい
福祉・介護分野でのご経験から、さらに訪問看護ステーション開業という医療分野へ目を向けたのはなぜでしょうか。
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介護が必要な高齢者にとって、介護目線は大切ですが、それはエビデンス(根拠)に基づいたものであるべきで、医療の目線も大切だと考えるようになりました。
在宅という場で、介護と医療が連携を図るためにも、訪問看護ステーションをつくりたいと思ったんです。
信頼する看護師さんからも「医療としてのエビデンスを介護のほうにも伝えてもらいたい」と言われ、それによって介護のスキルアップも図っていきたいという思いもあります。
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塩野様の事業所は地域に定着しているので、訪問看護ステーションを開業すると、ますます地域とのつながりが深くなりそうですね。
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はい。これまでこの地域で育ててもらった事業所なので、地域に貢献できるよう、働く人にも利用者様にも喜ばれるような訪問看護ステーションをつくりたいと思っています。
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介護と医療、両者が連携を取りやすいのは、強みになりますね。
塩野様のステーションの開業を楽しみにしております。