訪問看護/訪問介護/施設運営/訪問診療のバックオフィス、起業支援を行っている、インキュベクスグループの上村です。

2024年からは本格的に在宅医療クリニック(訪問診療)の独立開業(のれん分け)支援を進めていきたいと考えています。

本格的にサービスを提供するとは言っても、ドクターから費用を頂戴して、方法論を具体的に指導するものではありません。

入職(年収約1800万円以上)から2年後をめどに暖簾分けをするようなイメージで独立していただくようなするようなスタイルです。
ここで言うのれん分けとは、在職期間2年間の間に培ったネットワークやご利用者様をそのままご自身のクリニックのお客様として、サービス提供を継続いただくということなのです(のれん分け関するルールは希望者にご紹介しています)

◆ インキュベクスグループの訪問診療の独立支援(のれん分け)は2年間という期限で市場ニーズに応えるチームメインです。

私たちが考えている訪問診療の独立支援モデルは、ドクターに対して年収1800万円以上のお給料をお支払いをしながら訪問診療はもちろんもちろん、訪問看護ステーションやその他関係事業所との連携、診療ナースやMSWとのチームメイク、市場のニーズに答える体制づくりをご理解いただきたいと思うのです。
2年間で培った人的ネットワーク(訪問看護ステーションやその他連携先を含む)を2年後には自らのクリニック経営に引き継げるようなイメージを暖簾分けと言っています

——– 開業支援(のれん分け)を始めようと考えたきっかけ ——–

開業支援(のれん分け)を始めようと考えたきっかけは想像していた以上に在宅クリニック開業にはコストがかかるからです。
一般的に在宅医療クリニック(訪問診療)は少ない費用で開業できると考えている方が少なくありませんが、例えば都内や神奈川県内における開業は競合も多く、開業ガイドブックに出てくるような利用者獲得は不可能と言っても過言ではありません。

◆関東圏(都市部)における在宅医療クリニック(訪問診療)の開業費用は少なくとも5000万円〜1億円は考えておいた方がよろしいでしょう。

関東圏以外のエリアでは、開業ガイドブックなどに載っているように2000万円程のご用意でも可能なのかもしれません。

しかし、私の実感ですが、関東圏における開業費用は少なくとも5000万円。

一方で、早めの利益体質を作ろうと思った場合、例えば最新の機器の導入や私たちのようなチーム医療の体制作りが必要です。しかも余裕を持って進めるようであればおおよそ1億円ほどの開業費用の用意は必要です。

◆開業コスト比較を少々(おまけ)

余談にはなりますが、私が経営するわずか19床の介護施設の開業コストは土地建物がおおよそ2億円、事業運営費が約5000万円。
介護施設経営を独自に推進するよりも負担は少ないようです。

ちなみに訪問看護ステーションを関東圏内で開業しようと思った場合は、少なくとも2000万円、余裕を持った上であれば、3000万は考えておいた方が良いのかもしれません。

◆在宅医療クリニック(訪問診療)の開業に係るコスト算出の背景。

私はこれまで訪問看護ステーション3箇所の経営、そして介護施設の経営を行う経営者であり、訪問看護ステーションの独立開業支援を行うコンサルタントでもあります。

コンサルタントとしての実績は、訪問看護ステーションの独立開業支援では日本全国に1000社訪問看護テーション作りをお手伝いして参りました。

知る人ぞ知る「ケアーズ」と言った。ブランド名称は私が展開したサービスです。

話を戻りますが、そういった経緯から2023年6月より在宅医療クリニック(訪問診療)のバックオフィスを担当することになりました。

ここで言うバックオフィスとは医療サービス以外の請求事務や診療に必要なナースの手配、MSWの採用や訓練、その他事業計画策定に基づく戦略策定や実行などを担当しています。

2023年6月に開業したクリニックでは、ドクターを除くすべてのスタッフ業務の委託を受けているのです。

◆ 在宅医療クリニック(訪問診療)の事業成長には大量の人配置が重要です。

在宅医療クリニックの開業からおよそ1年が経とうとしています。
わずか1年ではありますが、経験してみて、初めてわかった事は訪問診療へのニーズは高い。

しかし、質の高い医療サービスの提供には、ドクター以外の人員配置が極めて重要であることがわかってきたのです。

他職種連携という言葉があります。訪問診療は医療サービスの提供だけではなく、例えば訪問看護ステーションへの指示書作成やケアマネジャーへのフィードバックその他に関連する業務が膨大に発生するのです。

例えば、毎月10名のご利用者様が増えるだけでもドクターと、ドクターの奥様2人で開業したクリニックは開業からわずか数ヶ月で苦境に立たされることでしょう。

何度も言いましたが、事務作業の量が尋常ではないのです。ましてや医療請求、介護保険の請求には複雑なルールがあります。

病院内での医療事務経験があるだけでは、在宅医療における請求関連業務は極めてハードルが高いのです。

◆ 在宅医療クリニック(訪問診療)の事業成長に必要な具体的な人員配置。

スタッフ業務とは具体的には事務長1名、診療ナース2名、診療アシスタント2名、請求事務スタッフ1名を送り出すと同時にクリニックに必要な経理、人事労務業務、システム管理、ウェブマーケティング業務等の推進をチームで請け負っているのです。

1人のドクターを支えるバックオフィスチームが大およそ10名いると考えていただいても良いかもしれません。

◆クリニックにオーダーをくださる関係者とは?

在宅医療クリニック(訪問診療)に依頼をくださる先は数多あります。
①病院
②地域包括
③ケアマネジャー
④訪問看護ステーション
⑤ご利用者の家族
これらの関係各所から日々発生する依頼をスピーディーに処理します。

そして、その上で現場に医療サービスを提供しているドクターの今週の予定、1ヵ月先の予定や訪問ルートをなどを最適なものに組み替えていくのです。

◆在宅医療クリニック(訪問診療)のドクター一人が医療サービスを提供できるご利用者様数。

私が思う在宅医療クリニックのドクター一人当たりが提供できるご利用者様の上限はおおよそ80名が最適ではないかと考えています。
診療の場合、例えばご利用者様が80名だった場合、月当たりの訪問件数は160の訪問が必要となります。1利用者様あたり月に2回の訪問が一般的だからです。

◆ 2024 年の抱負

2024年4月からはドクターの数は常勤が2名、非常勤が2名と言う体制になります。
2024年後半には常勤ドクター追加1名の採用計画を立てています。

ご利用者様人数は200名ほどまでの医療提供が作りたいです。
ユーザニーズに答えた医療機器の導入や。

2024年からはいわゆるケアマネ事務所の開業を準備しています。
夏ぐらいには訪問リハビリのニーズに応える体制づくりを進める計画です。

ここまでざっくりと体制を申し上げますが、ここでご紹介した内容は本当に1部です。

医療の質を維持しながらこれらの業務を推進する事は、ドクター1人ではほぼ不可能でしょう。

仮にドクターの奥様が協力体制をとってくれたとしても、成長の加速は困難です。

関東圏における在宅医療クリニックの開業は成長を加速させながら、バックオフィス人員の配置にも気を配り、さらには圧倒的ニーズに応えながらも、24時間の安心安全な体制を維持するためにも少なくともドクターの配置は複数名配置する人事戦略の面も推進する必要があるのです。

私たちは24時間365日の体制で医療や患者に目を向けるドクターが医療に専念できる環境を整備します。

その上で5年先にも、10年先にも地域から求められる医療をドクターとともに提供していきたいと考えています。